甘味料としても、またデザートとしてもお薦めのヘルシーな果物、デーツについてお話しします。
デーツはヤシ科に属する世界最古の栽培食物の一つで、アラビア半島が原産です。
デーツは実に2000を超える様々な種類があります。
栄養価が非常に高く、でんぷん、ミネラル、ビタミン、ファイトケミカル(特にフェノール類とカロテノイド)、不飽和脂肪酸、タンパク質、食物繊維が豊富です。
そして、魅力的なのはなんといっても、そのキャラメルのような濃厚な甘さです。
でもこんなに甘くては血糖値が急激に上がることはないのでしょうか?
以前のメルマガで血糖値スパイクの健康への弊害についてお話ししました。(Vol.40血糖コントロールはできていますか?)
特に血糖値が高めの方は気になるところでしょう。
しかし実際にはデーツは、砂糖のようにGI値(食品ごとの血糖値の上昇度合いを表した数値)が高い食品ではなく、低GI食品に分類されます。
研究でもデーツは血糖値を上昇させず、むしろ糖尿病治療に役立つ可能性があることが報告されているのです。
2020年に発表されたレビュー(いくつかの研究結果を体系的にまとめた評論)では、詳しい仕組みを解説しています。
それによると、糖尿病は炭水化物、タンパク質、脂質代謝の乱れによって起こる慢性代謝障害で、インスリンの分泌または感受性の低下、グルコース(ぶどう糖)を抑える機能の低下が見られます。
デーツが糖尿病治療に役立つ可能性があるのは、強力な抗酸化活性があるポリフェノールの存在と、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼのなどの酵素を阻害できるポリフェノール化合物が豊富なためであると考えられています。
また、デーツに含まれるフラボノイドは、糖尿病による合併症の調整に役立つ可能性があるそうです。
デーツの健康効果は健康的な血糖値管理だけではありません。
別の研究では…
*デーツの摂取(妊娠後期に食べる)は、陣痛と分娩の時間を短くするのに役立つ
*血中中性脂肪と酸化ストレスを改善し、抗アテローム性動脈硬化症や動脈のプラークの蓄積を防ぐのに役立つ
*抗酸化物質が豊富
*抗炎症や抗菌作用がある… など
その他様々な健康効果が期待できます。
古代からずっと栽培され続けてきた理由が、現代の研究によって解き明かされたのです。