よい脂肪とわるい脂肪
普段何気なく食べているものに、私たちの健康を害するものがたくさんあります。
今日はそのうちの一つである「トランス脂肪酸」についてお話します。
トランス脂肪酸は、主に植物油の水素化の過程で生成されます。
マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングやそれらを原料に使ったパン、ケーキ、ドーナツ、クッキー、マフィンなどの洋菓子、大豆チーズ、大豆アイスクリーム、ベジタリアンの代替肉、揚げ物などにトランス脂肪酸が見られます。
トランス脂肪酸は、動脈を硬化させ、LDL(悪玉)コレステロールのレベルを上げ、HDL(善玉)コレステロールのレベルを下げます。
これら全てが冠状動脈性心臓病のリスクを高めます。
アメリカで行われた1994年度の調査研究では、トランス脂肪酸が原因で起こった心臓病が、1年間で3万人の死亡を引き起こしたことを明らかにしました。
部分的に水素化されたトランス脂肪酸は、天然に存在する油よりもはるかに有害です。
一般的に、市販の穀物ベースの加工品(小麦粉を使った焼き菓子など)は、総脂肪の40%がトランス脂肪酸です。
また、動物性の加工品には21%、マーガリンには17%、バターには4%、フレンチフライには8%、ポテトチップスやポップコーンには5%のトランス脂肪酸が含まれています。
ラベルにトランス脂肪酸の数値が記されていないか、または原料にマーガリンやショートニングが使われていないかをよく見ましょう。
農林水産省は、トランス脂肪酸の摂取量の割合を総カロリーの1%以下にするように勧めていますが、世界の保険機関では、0,5%以上の摂取は勧められないとしています。
脂肪には、健康的な脂肪と健康を害する脂肪があります。
健康的な脂肪を摂取するには、植物性の脂肪であるナッツ・シードやアボカドのような「不飽和脂肪酸」をホール(未加工)のまま食べることです。
特に植物性のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、ヒトの体内では作ることができず、食べ物から摂らなければならない「必須脂肪酸」なので重要です。
「オメガ6脂肪酸」は炎症を促す働きをする脂肪で、ほとんどの植物油やほとんどのナッツ・シードに豊富に含まれていますから、むしろ摂りすぎに注意が必要です。
しかし、炎症を抑える働きをする「オメガ3脂肪酸」は、特定の食品(フラックスシード、チアシード、エゴマ、ヘンプシード、くるみなど)を意識して摂らなければ不足してしてしまいます。
私たちの健康を維持して血管をキレイにする秘訣
- できるだけ加工品を控える。
- フラックスシード、チアシード、エゴマ、ヘンプシード、クルミなどの健康的な脂肪を摂ることです。
今日から、健康的な食習慣にチャレンジしてみませんか。