今日は、必須ミネラルの一つである「マグネシウム」についてお話しします。
ミネラルといえば、カルシウムや鉄がよくクローズアップされますが、実はマグネシウムは体内で4番目に多いミネラルで、骨や歯の形成に欠かせないばかりでなく、血圧や心拍の調整や、その他300もの異なる体の組織の働きを促進しています。
日本人は、昔からマグネシウムが豊富な全粒穀物や豆類、野菜類などの植物性食品を食べてきたので、欠乏症を起こす可能性は少ないと考えられていますが、精製された穀物が多く豆類の摂取が減っている近年の食習慣では、十分な量を摂れていないかもしれません。
著名な医学雑誌『ニュートリエンツ』で発表された評論では、マグネシウムは多くの病気の予防と治療に重要な役割を果たし、マグネシウムの不足は、アルツハイマー病、インスリン抵抗性および2型糖尿病、高血圧、心血管疾患(脳卒中など)、片頭痛、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの多くの慢性疾患と関連していると説明しています。
マグネシウムの豊富な食品を食べることで期待できる健康効果は、高血圧の改善、骨粗しょう症のリスクの軽減、2型糖尿病の予防、心臓の健康維持、ストレスや不安の緩和などです。
では、このような重要な働きをするマグネシウムの供給源と効率よく摂る方法を見ていきましょう。
マグネシウムの優れた供給源は、精製されていない全粒の穀物や豆類、ナッツやシード(種)、野菜類などの植物性食品です。
一般的によく食べられている植物から、特に多く含まれている食品を抜粋しました。(それぞれのカテゴリーの中では含有量が多い順)
穀物:アマランサス、キヌア、そば米、全粒紛、玄米、あわ、オートミール、干しそば
豆類:大豆、緑豆、インゲン豆、ひよこ豆、小豆、レンズ豆
ナッツやシード:かぼちゃの種、フラックスシード、あさ(ヘンプシード)、ひまわりの種、ごま、アーモンド
野菜類:ふだんそう(スイスチャード)、ほうれん草、オクラ、ケール、かぼちゃ、ブロッコリー
マグネシウムの吸収率を高めて効率よく摂る方法は、生の野菜やビタミンCの豊富な食品(柑橘類、赤いピーマン、ブロッコリーなど)と一緒に食べることです。
マグネシウムの一日の推奨量は、成人男性:約370mg 成人女性:約290mgです。
次回の記事でご紹介するレシピでは、一食だけで1人分およそ250mgのマグネシウムが摂れますが、もちろん毎日の食事でマグネシウムの摂取量を計算する必要はありません。
ホール(精製加工されていない丸ごと)の植物性食品が多い食事を心がければ、マグネシウムばかりでなく、カルシウム、鉄など他のミネラルも十分に摂取することができます。
日々の食事にこれらの食品が十分含まれているか、見直してみませんか?